雑文

他宅監視員の雑記帳

素人、ニコ生で金を得る――その心構え

素人、ニコ生で金を得る――その心構え

はじめに

まあ大体ここ1~2年くらいだろうか、ニコ生(=ユーザー生)に入り浸っていると、 生主(=生放送をするユーザー)に関するグッズの企画商品をよく見かけるようになった。 僕が今使っているマグカップは、生主のイラストが描かれたものであるし、 注文しようと思っていたのに売り切れてしまったマウスパッドも、 いわゆる有名な生主達のイラストが入ったものだ。 (トラックボール派には使い道がないのだが、やっぱり欲しい)

ただこうした生主という素人がお金を得ることについて、 否定的な考えを持つ人はとても多いように感じる。 おそらく「金銭とは労働でもって得るものであって、 ニコ生など趣味の領域にそういったものを混ぜてくるな」という考え方であろう。 まあ気持ちはわからないでもないのだが、 それでもやっぱりこの手の経済活動は、今後しばらく続いていくと思う。

とはいってもやはり、いくつかの心構えは必要になってくると思うので、 今回はそのあたりを考えてみたい。

生主はプロか、アマチュア

ところで前回は、プロの論理というものについて書かせていただいた。

プロと覚悟と世界とお金――もう、めんどくせーよ

プロの原則とは「何かで生計を立てる覚悟を世に宣言すること」であったが、 これに当てはまる生主はいるだろうか?

生主として配信をすることをメインにして生計を立てると宣言したケースは、 僕の知る限りでは数例しか無い(それだけでも凄いことだとは思うのだが)。

ただまあ、生主の人数は数万と言われているわけで、 それらは特殊なケースと考えて良いだろう。

よってここでは、その他大勢の普通の生主について考えつつ、 アマチュアが金を得る方法についての概略を示したい。

マチュアの原則

さて、前回に習って今回も、とりあえず「アマチュアの原則」について考えよう。

まず、プロと違ってアマチュア「生計を立てる必要がない」 という点がポイントだろう。 そして、 プロフェッショナルのように、 「宣言」する必要も、基本的には無い

よって、アマチュアの原則とは、 「何かを愛していること」 、ただそれだけである。

(それぞれ宣言(profess), 愛する人(amator)が語源らしい)

マチュアが外に表現を始めるとき

では、このシンプルな原則から、どんな欲求が生まれるだろうか。

● 「生まれたものを見せたい」おそらく赤子をFacebookに貼るよりは共感される。

● 「知識や技術に、より熟達したい」上達はそれ自体が喜びでもある。

● 「継続したい」この行為を長く続けたい。ルーチン化したい。

● 「価値を見極めたい」自分の生み出したものがどれくらいの価値なのかが知りたい。

● 「お金がほしい」うまく出来るようになったので、対価がほしい。プロへのステップとして。

欲求は人それぞれだろうから、これくらいにしておくとして、 これらを満たすために必要な事は何か を考えることが必要だ。 前回と同じく、自分の中で整理しておくと、 何をやっているのかわからなくなったとき、意外に役立ったりするので、 各自やってみてみるといいかもしれない。

マチュアでも、お金を扱うにはやっぱり覚悟が必要だ

仮に、前項で整理した中に「お金」を欲求に入れたとしよう。 その場合に必要な物はなんだろうか。

プロの論理を知ったものであれば、それは 「覚悟」 であることは想像がつくだろう。 お金を得ること自体は、アマチュアにとっては本来無関係のものである。 それはある意味、プロの領域の侵食でもある。 そこに侵食していく場合、ある種の覚悟が必要になる。 ではそれは、どのような覚悟なのだろうか。

それは 「信用」 である。プロにおける「信頼」に近いのであるが、 後者は未来を託すイメージがあるが、アマチュアにおいてはそこまでの期待はできない。 なぜなら、彼らは「生計のために今後も継続する」といったスタンスではないからだ。 つまり、アマチュアがお金を扱う際に心がけなければならないのは、 少なくとも 顧客に対して「信用」される振る舞いをする「覚悟」が必要 なのである。

これは、「未来に期待してくれ」とかそういうことではなく、 「こう積み重ねてきた」といった過去の蓄積が問われているといって良い。 いやいや、そもそも最初はだれでも未経験じゃないか、と思うかもしれないが、 必ずしも実務経験が必要という意味ではない(もちろん、あるに越したことはないが)。

ここで必要なことは、

● 何でもいいので、潜在顧客に対する約束を果たすことを継続すること。

● 不安感を与えないよう、告知をしっかりすること。

● サンプルを用意し、事前に品質を示すこと。

といった、わりと当たり前のことを、事前にやることである。

蛇足ながら付け加えると、必ずしも品行方正の善人である必要はない。 執行猶予期間中のオヤジでも商売はできているし、 どっかの動画で黄色い声援を浴びさえすれば、 大抵の悪行は無かったことになったりしている。 ちょっと腹の立つ話ではあるが、 アマチュアの真似事でも芸能界と似た現象が起きるのだから、 見方によっては結構面白くもある。

もっとお金を扱うコツを掴もう

当たり前の話だが、コンビニでバイト中、レジを扱ったことがあるからといって、 お金を扱えるといえるかというと、そういうことではないだろう。 なぜなら、「信用」を担保するのはそのコンビニであって、 あなた自身ではないからだ。

さて、「コンビニバイトの僕も、ちょっと特技を生かして、お金を扱うコツを掴んでやろう」と考えたとしよう。 でも全くのはじめてだと、なかなか検討がつかないと思う。 そのあたりの具体的なアプローチについては、次回以降に簡単にまとめてみたい。

おそらく、わかり切った人にはあたりまえの話になってしまうかもしれないが、 ニコ生じゃあ、そうはいくまい。でも先人は多いぞ、という、そんな感じになる予定。

――以上、第3回でした。

マチュアの可能性についてはまだまだ書き足りないので、また近いうちに書きたい。 というか、今回の記事を書くにあたり、余計なものが膨れ上がりまくって収拾がつかない。 うまく整理出来ればいいのだけれど……。

雑記

昨日の岡田斗司夫ゼミ生放送を聞いていたところ、 生主が銀行口座を晒す件について、面白いといったポジティブなニュアンスで話されていた。

ニコ生岡田斗司夫ゼミ2月号延長戦(会員限定2)

プロデューサーS田氏まで、公式生はツマラナイと言い出す始末。 (実は氏はフリーランスであって、ドワンゴの人ではないとのこと。なるほど!)

ブロマガのユーザー開放で、参加者が一気に増えた話からそういう話になったようなのだが、 生主に着目するところは流石だなぁと思った、お二方とも。

また、誰と対談するかという話で、著名人よりも生主と対談をしたいといった発言もあり、 もし実現するとすれば面白そうだ。

やっぱニコ生だよねー。

熱い時代はとっくに終わってると思うけど、まあ、成熟期的な意味ではまだまだかな、と。

ではまた。