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雑文

他宅監視員の雑記帳

カンブリア宮殿で語られないニコニコ黒字化のホントのところ

要するに僕はこのつぶやきについて、もうちょっと詳しく書いておきたい気分なのです。

えー、この文章は、カンブリア宮殿のニコニコ動画回を見たが、なんかニコニコって凄そうだけど、いまいち本当の所がよくわからないと思った方、あるいは「俺ニコ厨だし、見てて楽しかった~」な方、そして、ニコニコ生放送での番組収録風景を見ていなかった方に向けて、なるべくわかりやすく、黒字化の実態の説明を試みるものだったりする。

「こうやって黒字化したんだ! この先が楽しみ! 自分も見習おう!」

なんてお気楽な気分の方に、特に読んでいただきたい。

 

さて、みなさんはあの番組を見て、どんな感想を抱いただろうか?

上場企業とは思えぬ型破りの経営者(自称保守的)の川上氏の人柄に惚れた?

それとも、20代の8割が会員であることに驚いた?

4億円赤字を出してまで、幕張メッセのイベントを行う、理屈なき投資の姿勢に感心した?

そうだね。どの感想もだいたいあってるし、僕もそう思った。

 
でもね、冷静に番組を見ている人ならば、何かモヤッとした疑問が浮かんだはずだ。
 
「ニコ動はユーザが主役というけど、じゃあどんなユーザが黒字化を牽引したの?」
 
ってこと。
 
あなたはどう思いますか?
 
多分、予備知識がなければ、具体的に説明することはとても難しい。少なくとも番組からは読み取れないだろうし、場合によっては何か勘違いしてしまうような、そんな編集になっていたと思う。(カンブリア宮殿がそういう番組だってのはわかっちゃいるけどさ)
 
一方、普通にニコニコに接している人ならこう思うはずだ。
 
「たくさんのおもしろ動画を、コメント付きで、速い回線で見たい人がたくさんいるってことだろ? それと、どうやら政治やショッピング、科学の生放送で、座席を確保したい人がいっぱいいるらしい。だから、沢山の動画投稿者や、公式番組を作った運営さん、みんなで黒字化したんだよ! ロングテール!」
 
ってね。
 
えー、そうかなぁ。本当かなぁ?
 
そこで、このロベルト氏のプレミアム会員に関する統計を見て欲しい。
 
プレミアム会員数の増加傾向に関わる重要な点を引用すると(下線は僕が引いた)
2008年の末からプレミアム会員数が増え始めているがニコ生のユーザー生放送が開始(2008年12月12日から)と一致している。
 
これによると2009年10月18日から2009年11月17日の間にプレミアム会員になり、現時点(2011年10月7日)でプレミアム会員をこの1年間継続した人の割合が91.77%。
2008年10月18日から2008年11月17日の間にプレミアム会員になり現時点(2011年10月7日)時点でプレミアム会員をこの1年間継続した人の割合が脅威の97.08%。
2007年10月18日から2007年11月17日の間にプレミアム会員になり現時点(2011年10月7日)時点でプレミアム会員をこの1年間継続した人の割合が3年間継続した人より少し減って94.69%。4年継続の継続率が減っているのは生放送目的でプレミアム会員になっている人が多い3年目と比較して動画目的でプレミアム会員になった人は生放送目的の人よりも解約しやすいことが推測できる。
つまりだ、ユーザー生放送が黒字化の転機であり、ユーザー生放送には動画以上に中毒性がある、ということを統計が語っているんだよね。
 
ほら、カンブリア宮殿の番組内で、一般会員の座席の追い出しが、プレミアムを増加させ、黒字化の転機となったという話があったよね。
 
番組だけ見ると政治などの魅力的な番組において、追い出しが発生して一気に伸びたかのように感じる編集だったけど、それは全くの誤解。上述の引用からもわかるように、プレミアム会員の急増現象の舞台は、ユーザー生放送にこそ存在していたということなんだ。
 
(2009年12月からプレミアム会員が急増開始。黒字化は2010年1~3月に達成。小沢一郎会見は2010年9月。一般的な知名度を高めた会見だったとは思うが、少なくとも黒字化の転機ではなかった事くらいは読み取れるよね。)
 
ああそうですとも。お察しの通り、コレを書いてる自分自身、ユーザー生放送ばかり見ている人間だ。黒字化を無邪気に喜び、時に感極まる行儀の良い動画勢を冷ややかに見てきたさ。「僕らのお布施が、なぜ生放送のインフラ改善に使われず、赤字垂れ流しの大会議にばかり毎回つぎ込まれるんだよ!」なんてね。
 
しかし、もし自分がカンブリア宮殿で、川上会長の代わりに振舞えと言われたらどうだろう。おそらく僕も、スタジオ収録時の取材VTRの中で、ユーザー生のためだけに人生コンテンツ化した人や、その手の人だけが住むシェアハウスなんかの風景を唐突に突きつけられれば、落ち着きを失い、苦い顔をして、これはユーザー代表じゃない、的なコメントを、同じようにしたと思う。
 
僕が思うに、カンブリア宮殿の取材スタッフはとても優秀だ。「よくここまで的確に、黒字化当時の現場を知る者を突き止めたね」と言いたい。ただ、川上会長という人物と、そのビジョンに着目するならば、この部分は不要だったのも確かだ。
 
ユーザー生放送なんてものは、明らかに動画に比べてパッケージ化しにくいから、極めて売りにくいし、将来のライトユーザにとってはコアすぎるし、そして何よりも、投資対象としてリスクが大きすぎるだろうからね、色々と。まあ妥当だよ。そんなことくらいわかってるさ。ユーザー生放送発足から今現在まで、何度も繰り返されてきたことだから。
 
だから僕らユーザー生放送の人たちは、そうした思いを内に秘めつつ、ライトユーザで埋め尽くされるその日まで、ニコ生プロリスナー(主に雑談女性担当)のもとでチャンスをうかがうしか無いってわけ。
 
以上、ニコ生中毒者からの、一見解ってことで。
 
ではまた。