雑文

他宅監視員の雑記帳

富士山とか郊外でMVNOの電波を入りやすくしたいメモ

先日、富士山に向けての練習がてらに高尾山に登ったのだが、電波が入らないところが結構あった。

何が本当の問題か

僕はNexus5にMVNOであるiijmioのSIMを利用している。

iijmioはドコモ回線を間借りしているので、基本的にカバー領域は同じはずだ。

ではなぜMVNOは電波が弱く感じたりするのだろうか。

MVNOの深イイ話:MVNOの電波は「弱い」のか? - ITmedia Mobile

これを読むとわかるのだが、MVNO の電波が弱いという経験知は、実は仕様上はありえない。

問題は、 MVNO 業者の設備における混雑による速度低下と、グローバル端末の事情による、エリア対策用帯域の無視という 2 点になる。

そう、電波の掴みやすさは本来全く同じなのだ。

MVNO(格安SIM)通信速度は大手キャリア程通信速度が出ないって本当なのか!? | MVNO初心者の為の徹底解説ブログ!-エリアフリーモバイル-

1 点目の混雑による速度の低下だが、配信に限って言えば大差はなさそうだ。

一般的にMVNOの混雑は昼休みの時間帯になるのだが、Upload の速度はそこまで変わらず、 コンスタントに4M 程度は期待できそう。

(ニコ生で使える帯域は 384kbps までだから、4Mあれば十分に思うのだが、実際どうなのだろう?ちょっと経験がないので自信はないけど。)

とすると、 2 点目の問題の、郊外や山間部で利用されるエリア対策用帯域が使えない、SIM フリーなグローバル端末の事情が一番の問題となる。

つまり、どれだけ LTE を掴めるかのほうが品質に大きく関わっていると思われる。

LTEの話

Long Term Evolution - Wikipedia

ドコモ系MVNOの周波数帯をまとめてみた!

LTE の電波は、それぞれ特徴を持った複数の Band で構成されている。

このなかで 800MHz の Band19(以下 B19)が今回の鍵となる。

ここで富士山の B19 のエリアを見てみることにする。

NTTドコモ -エリアマップ-

この図における FOMA プラスエリア部分が B19 にあたるが、ちょうど頂上付近の半分と、下山道にて問題があることがわかる。

なんとかしてグローバル端末で B19 を使えるように改造しなければならない。

ところでなぜこの帯域を、グローバル端末業者は削ってしまったのだろうか。

どうやら B19 と B20 が同時に利用できないという事情があるようだ。

どちらも 800MHz を利用しているが、通信方式が違うためか、同じ端末で共存できない。

つまり、 グローバル端末の設計において、世界中の郊外山間部をとるか(B20)、日本の郊外山間部を取るか(B19)、という縛りに直面し、合理的に考えて世界の側を取ったということなのだろう、たぶん。

List of LTE networks in Europe - Wikipedia, the free encyclopedia

EU の LTE のバンドリスト。やっぱり B20 がたくさん使われている。

List of LTE networks in Asia - Wikipedia, the free encyclopedia

これは Asia のリスト。見事に B19 は日本だけだ。

Nexus 技術仕様 - Nexus ヘルプ

僕が使っている Nexus5 の仕様によれば

LTE: 対応バンド: 1/3/5/7/8/20

となっている。これをせめて日本にいる間だけでも B20 の部分を B19 にしたい。

そして海外行くときまた戻せるようにもしておきたい。

B20を殺してB19を有効にする

【LTE B19】Nexus 5(LG-D821)のNTTdocomoプラスエリア(800MHz)対応化について | AndMem

Nexus5 の B19 対応の手順がある。すごい。

猿でもNexus5をLTE Band19に対応させるスレ

ココも参考にした。なぜか、僕は日本から出ることはない的なBand選択してるので、そこは注意。

……できた。具体的作業は割愛。

すごくめんどくさいし、リスクだらけなので普通はやらないほうがいい。

お金がある人は、ドコモや AU のキャリア端末を使えば解決するからだ。

キャリアとの差

富士山山頂で、日本最速のLTE通信が始まった | KDDI NEWS | KDDI ナウ | 明日をちょこっとHAPPY!にするデジカル系情報マガジン TIME&SPACE(タイムアンドスペース)

AU の富士山 band は 800MHz,2GHz 、つまり B1,B19 が強化されてるようだ。

docomo端末でのLTEの周波数帯(Band)一覧

ちなみにドコモ端末の Band 対応状況はこれ。
さすがにバッチリ対応してる。

LTE速度調査 1位は下りドコモ、上りソフトバンク :日本経済新聞

ちなみにドコモや AU などのキャリアと比較すると、Upload に関しては、約 7M と、 MVNO の 約 4M という差だ。

この差自体は、そこまで影響しないのではないかと思うのだが、大きい方が安心感はある。

VoLTE非対応であることの問題(ついでに)

そもそも800MHz帯を、ABCの3バンドに切り分けて、ABのみ利用するのがB6、それにCを追加し、ABCを利用するものがB19になる。

これはLTEに関してはその通りで、B19さえ対応していればFOMAプラスエリアと通信できる。

が、問題は3G(W-CDMA)だ。

FOMAプラスエリア (W-CDMA 800MHz) のBand6に対応していない端末は買わないべき? - MVNOナビ!

VoLTEに対応していない(Nexus5みたいな)端末の場合、音声通話するとき3Gに切り替わる(CSフォールバック)。つまりW-CDMAのB6だ。

よって、W-CDMAのB6が使える端末なので、音声通話は可能なのだが、LTEを掴み直すタイムラグが発生してしまうので、各種連絡は音声通話ではなく、LINEなどの別の手段を使うようにしたい。

結論

結論としては、素直に金払ってキャリア端末を使えってことになるのだが、個人的には改造した端末で MVNO 使えねー説に一矢報いたい感じ。

以上。